2026年2月13日by O2CONNECTIVE編集部5分で読めます

定着率とは?計算方法と上げるための施策

定着率の計算方法と離職率との関係、業界別のベンチマークを分かりやすく解説。定着率を上げるための5つの具体的な施策と、エンゲージメント向上のポイントを中小企業の人事・経営者向けに紹介します。

定着率とは?計算方法と上げるための施策

「採用しても定着しない」「入社3年目までの離職が多く、いつまでも組織が安定しない」――そんな課題を感じていませんか。定着率は、採用した人材がどれだけ組織に残っているかを示す指標であり、組織の健全性を測るうえで欠かせないものです。この記事では、定着率の正しい計算方法から業界別のベンチマーク、具体的に定着率を上げるための5つの施策までを解説します。

定着率とは

定着率とは、入社した従業員が一定期間後にどのくらい在籍し続けているかを示す割合です。離職率が「辞めた人の割合」を見るのに対し、定着率は「残っている人の割合」を見る指標で、両者は表裏一体の関係にあります。定着率が高いほど、社員が長く働き続けている安定した組織であるといえます。

なぜ重要なのか

定着率は、採用コストの回収効率に直結する指標です。中小企業の場合、1人の採用にかかるコストは平均で約50〜100万円。入社後の研修・OJTを含めると、1人あたり200〜300万円を投資しているケースも珍しくありません。定着率が低いと、この投資が回収できないまま流出してしまいます。

厚生労働省のデータに基づくと、日本の一般労働者の年間離職率は約11%であり、つまり年間定着率は約89%です。しかし業界差は大きく、IT業界では約89%、製造業では約90%の定着率がある一方、宿泊・飲食サービス業では約73%にとどまります。

また、定着率の低さは「採用ブランド」にも影響します。転職口コミサイトで「離職率が高い」「人がすぐ辞める」と書かれると、次の採用がさらに難しくなる悪循環に陥ります。定着率の向上は、将来の採用力を守る投資でもあるのです。

具体的な取り組み方

1. 定着率を正しく計算し、現状を把握する

定着率の基本的な計算式は以下のとおりです。

定着率(%)=(期首の従業員数 − 期間中の離職者数)÷ 期首の従業員数 × 100

また、特定の入社年次の定着率を見る場合は次の式を使います。

入社年次別定着率(%)= 現在の在籍者数 ÷ 入社時の人数 × 100

たとえば、2023年に10名入社し、現在8名が在籍していれば定着率は80%です。まずは自社の定着率を正確に把握し、業界平均と比較するところから始めましょう。

2. 従業員エンゲージメントを高める

エンゲージメント(仕事や組織に対する愛着・意欲)の高い社員は離職率が低いことが、多くの調査で明らかになっています。ギャラップ社の調査では、エンゲージメントの高い組織は離職率が最大59%低いという結果が出ています。具体的には、会社のビジョンへの共感、仕事の意義の実感、成長機会の提供が鍵になります。パルスサーベイ(簡易的な定期アンケート)を活用してエンゲージメントを定期的に測定しましょう。

3. 公正で透明性のある評価制度を運用する

「頑張っても正当に評価されない」と感じることは、離職の大きな動機になります。評価基準を明文化し、評価結果とその理由をフィードバックする仕組みを整えましょう。目標設定→中間面談→期末評価→フィードバックのサイクルを丁寧に回すことで、社員の納得感と信頼感を醸成できます。

4. キャリア開発の機会を提供する

「この会社にいても成長できない」という認識は、特に20〜30代の離職につながりやすい要因です。社内研修、外部セミナーへの参加支援、資格取得補助、ジョブローテーション(計画的な部署異動)など、社員が自身の成長を実感できる機会を体系的に提供しましょう。個人ごとのキャリアプランを一緒に作成するのも効果的です。

5. 心理的安全性の高い職場環境をつくる

心理的安全性とは、「チームの中で自分の意見を安心して発言できる」と感じられる状態のことです。ミスを責めるのではなく学びに変える文化、多様な意見を歓迎する風土、上司が弱みを見せられるリーダーシップが、心理的安全性を高めます。Googleの「Project Aristotle」でも、チームのパフォーマンスに最も影響する因子として心理的安全性が挙げられています。

よくある質問

Q. 定着率と離職率はどちらを指標にすべきですか?

A. どちらも基本的には同じ情報を示していますが、社外へのコミュニケーション(採用広報など)では「定着率」のほうがポジティブな印象を与えやすいです。社内の課題分析には「離職率」を部署・年代別に分解して使うのが効果的です。目的に応じて使い分けましょう。

Q. 定着率を上げるのに即効性のある施策はありますか?

A. 即効性が高いのは「1on1ミーティングの導入」と「離職リスクの高い社員への個別フォロー」です。ただし、定着率の本質的な改善には、評価制度や組織文化の見直しといった中長期的な取り組みが不可欠です。

まとめ

  • 定着率は「残っている社員の割合」を示す指標で、離職率と表裏一体の関係にある
  • 定着率の低さは採用コストの無駄と採用ブランドの毀損につながる
  • エンゲージメント向上、公正な評価、キャリア開発、心理的安全性が定着率改善の4つの柱
  • まずは自社の定着率を正確に計算し、業界平均との比較から始める

O2CONNECTIVEでは、従業員エンゲージメントの測定と改善アクションの提案をAIがサポート。思考特性データを活用した個別最適なコミュニケーション設計で、定着率の持続的な向上を実現します。


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