
評価面談で「自分はもっとできている」と話す部下に、つい本人の認識の甘さを感じてしまう。けれど、評価の基準や途中のフィードバックが共有されていなければ、本人だけが高く見積もる状態は生まれやすい。次の面談までに見直したいのは、部下の性格ではなく、評価を伝える順序かもしれない。
Blog
組織コミュニケーション、思考特性、AIカウンセラーに関する情報をお届けします。

評価面談で「自分はもっとできている」と話す部下に、つい本人の認識の甘さを感じてしまう。けれど、評価の基準や途中のフィードバックが共有されていなければ、本人だけが高く見積もる状態は生まれやすい。次の面談までに見直したいのは、部下の性格ではなく、評価を伝える順序かもしれない。

目標の数字まであと30%足りない。それなのに挽回しようとする気配すらなく、面談で「すみません、厳しいです」と淡々と答える部下。焦る様子すら見せないその穏やかな態度に、上司は「危機感がないのか」と苛立つ。だが、その落ち着きは反省不足から来ているのではなかった。

部下6名を持つ課長が、今年度まだ有給を1日も使っていない。部下には「遠慮せず取っていい」と伝えてきたし、申請を断ったこともない。それでもチームの取得率は、他部署より低いままだった。人事から下期の調整を求められて残日数を開いたとき、原因は部下の遠慮ではないことに行き当たった。

研修は満席だった。アンケートの満足度も高かった。その翌日、現場から「また課長が怒鳴っている」と相談が入る。当の本人に悪気はない。むしろ自分は丁寧に指導しているほうだと思っている。何度研修をやっても届かない相手に、人事は次に何を差し出せばいいのか。

社員130名の建設会社で、大手と同じ評価制度と社員サーベイを導入した。制度は整い、経営会議で報告できる材料も増えた。サーベイの数字も、前回より少し良くなっている。それなのに、辞めていく人の数だけは去年と変わらなかった。制度の何が噛み合っていなかったのか。

採用担当の高橋は、内定式で内定者たちの笑顔を見て、今年は良い人材が取れたと安心していた。入社までの半年ほどの間、特に連絡することもないだろうと考えていた。そして半年後の入社式に並んでいたのは、確かに同じ顔だったが、10月に見たあの表情ではなかった。

ある課長は、四半期の途中で新しい方針を発表した。「今回はこちらでいきます」——会議室の反応は薄かった。誰も反対しなかったが、誰も前のめりにもならなかった。方針そのものは正しかったはずなのに、なぜかチームの動きはその後も何週間も鈍いままだった。

「確認はしたんですけどね」。同じ説明を何度もしている現場で、よく聞く一言です。引き継ぎのたびに確認は振り出しに戻り、誰も手を抜いていないのに同じミスが出ます。確認の回数を増やすべきなのか、聞き方を変えるべきなのか。抜けていたのは、確認の丁寧さではありませんでした。

課長の中村は、部下から「親の介護が始まりまして」と打ち明けられた日、すぐに時短勤務の制度を確認して担当先を移した。制度も、周囲の理解も、間に合ったはずだった。それでも数ヶ月後に退職届が出てきたとき、本人が最後に口にしたのは介護の話ではなかった。

チームで一番よく人を助ける社員が、辞めると言ってきた。揉め事もなく、評価も悪くない。心当たりがないまま席を見渡して、ようやく気づく。彼が助けてきた相手の中に、一度も助け返さなかった人がいた。TED1,000万回再生の組織心理学者は、その1人の重さを数字で示しています。