「失敗してもいい」と言うリーダーが、一番失敗を恐れている
「失敗してもいいよ」と部下に言ったその日、自分のミスを必死に隠していた。心理的安全性を「つくる側」のリーダーが一番失敗を恐れているという矛盾に、何人の管理職が気づいているだろうか。明日から実践できる、リーダー自身の振る舞いを変える5つの方法。
特集シリーズ

「心理的安全性が大事なのはわかった。でも、具体的に何をすればいいの?」
Googleの「Project Aristotle」で、チームの生産性を決める最も重要な要因として注目された「心理的安全性」。多くの企業が関心を持っていますが、「どう高めればいいかわからない」という声をよく聞きます。
心理的安全性とは、「このチームでは、対人リスクを取っても安全だ」と感じられる状態のこと。具体的には、
- 質問しても「そんなことも知らないの?」と言われない
- 失敗を報告しても責められない
- 違う意見を言っても排除されない
- 助けを求めても弱いと思われない
こうした安心感がある状態です。
この記事では、心理的安全性を高める具体的な5つの施策を紹介します。明日から実践できるものばかりです。
施策①:リーダーが「わからない」「失敗した」と言う
心理的安全性を作るのは、リーダーの姿勢です。
メンバーに「失敗してもいい」と言っていても、リーダー自身が完璧を演じていたら、誰も信じません。リーダーが率先して弱みを見せることで、「ここでは弱みを見せていいんだ」という空気が生まれます。
具体的なアクション:
- 「正直、この分野は詳しくない。教えてもらえる?」
- 「さっきの判断、間違ってたかもしれない」
- 「実は昔、こんな失敗をしたことがあって…」
こうした発言を、意識的にしてみてください。
最初は勇気がいるかもしれません。でも、リーダーが「完璧じゃなくていい」と示すことで、チーム全体の空気が変わります。
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施策②:「発言」ではなく「発言したこと」を評価する
会議で意見を言っても、却下されたり無視されたりする経験が続くと、人は発言しなくなります。
大切なのは、意見の内容だけでなく、「発言した」という行動自体を評価すること。
具体的なアクション:
- 「いい視点だね。そういう考え方もあるんだ」
- 「違う意見を言ってくれてありがとう」
- 「その質問、他の人も思ってたかもしれないね」
たとえ採用しない意見でも、発言したことへの感謝を伝える。これを続けることで、「ここでは発言していいんだ」という認識が広がります。
反対に、絶対にやってはいけないのは、
- 発言を途中で遮る
- 否定から入る(「でも」「いや」)
- 無反応でスルーする
こうした対応が一度でもあると、その人は二度と発言しなくなる可能性があります。
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施策③:「失敗」を「学び」に変換する仕組みを作る
失敗を責める文化では、失敗は隠されます。隠された失敗は、より大きな問題につながります。
失敗を「学びの機会」として扱う文化を作りましょう。
具体的なアクション:
- 振り返り会の実施:失敗した案件について、責任追及ではなく「何を学べるか」を話し合う
- 失敗共有会:自分の失敗談を共有する場を定期的に設ける
- 「ナイストライ」の文化:挑戦して失敗した人を称える
ある企業では、月に一度「失敗大賞」を選んでいます。最も学びの多い失敗をした人を表彰する。これにより、失敗を隠さない文化が根付いたそうです。
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施策④:「1対1」のコミュニケーションを増やす
心理的安全性は、人間関係の上に成り立ちます。そして人間関係は、1対1のコミュニケーションで深まります。
全体会議では発言できない人も、1対1なら話せることがあります。
具体的なアクション:
- 定期的な1on1:週1回または隔週で実施
- カジュアルな雑談:業務以外の話をする機会を作る
- ランチやコーヒー:業務時間外の交流
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特に大切なのは、「業務以外の話」をすること。趣味、家族、週末の過ごし方。そうした話を通じて、「この人は自分のことを一人の人間として見てくれている」という感覚が生まれます。
リモートワークが増えた今、意識的に1対1のコミュニケーションを作ることが、より重要になっています。
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施策⑤:多様な意見を「仕組み」で引き出す
「何か意見ある?」と聞いても、手が挙がらないのは普通のことです。特に、上司や声の大きい人がいる場では。
だからこそ、多様な意見を引き出す「仕組み」が必要です。
具体的なアクション:
- 事前アンケート:会議前に意見を集める
- 匿名での意見収集:名前を出さずに意見を言える仕組み
- ラウンドロビン:全員に順番で発言してもらう
- サイレントブレスト:付箋に書いてから共有する
「仕組み」の力を借りることで、普段は発言しない人の声も聴けるようになります。
また、「反対意見を歓迎する」姿勢を明示するのも効果的です。「この案に対して、あえて反対意見を言うとしたら?」と問いかけることで、異論を言いやすくなります。
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心理的安全性は「一日にしてならず」
ここまで5つの施策を紹介しましたが、大切なことをお伝えします。
心理的安全性は、一朝一夕には築けません。
一度の取り組みで劇的に変わることはありません。日々の小さな行動の積み重ねが、少しずつ組織の空気を変えていきます。
そして、壊れるのは一瞬です。リーダーの一言、一つの対応が、積み上げてきた信頼を崩すことがあります。
だからこそ、継続的に取り組み、定期的に状態を確認することが重要です。
「うちのチーム、心理的安全性は十分だろうか?」
そう問いかけ続けることが、心理的安全性を維持・向上させる第一歩です。
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まとめ
心理的安全性を高める5つの施策を振り返ります。
- リーダーが「わからない」「失敗した」と言う
- 「発言」ではなく「発言したこと」を評価する
- 「失敗」を「学び」に変換する仕組みを作る
- 「1対1」のコミュニケーションを増やす
- 多様な意見を「仕組み」で引き出す
どれも、明日から始められることです。
心理的安全性は、生産性の高いチームの土台です。この土台がしっかりしていれば、イノベーションが生まれ、問題が早期に発見され、メンバーが定着します。
まずは一つ、試してみてください。小さな変化が、大きな変化につながります。
よくある質問
Q. 心理的安全性が高いチームとは、具体的にどんな状態ですか?
A. 質問や反対意見を言っても否定されない、失敗を報告しても責められない、助けを求めても弱いと思われないと感じられる状態です。メンバーが「この場では対人リスクを取っても安全だ」と安心して行動できる環境を指します。
Q. 心理的安全性は「仲良しチーム」と同じ意味ですか?
A. 違います。心理的安全性は衝突や異論を避けることではなく、むしろ率直に意見をぶつけ合える関係性のことです。お互いを尊重しながらも、建設的な議論ができるチームこそ心理的安全性が高いといえます。
Q. 心理的安全性を高めるために、最初に何から始めればいいですか?
A. リーダー自身が「わからない」「失敗した」と率直に発言することから始めるのが最も効果的です。完璧を演じるリーダーのもとでは、メンバーも弱みを見せにくくなります。まずはリーダーが率先して安全な空気をつくりましょう。
Q. 心理的安全性を測定する方法はありますか?
A. 定期的なパルスサーベイや匿名アンケートで「発言しやすいか」「失敗を報告できるか」などの項目を設けると数値化できます。数値だけでなく、1on1の対話や日常の行動観察もあわせて把握すると、より正確な状態が見えてきます。
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