2026年2月13日by O2CONNECTIVE編集部6分で読めます

離職率とは?計算方法と業界平均を解説

離職率の正しい計算方法と業界別の平均値を、厚生労働省のデータに基づいて分かりやすく解説します。自社の離職率が高いのか低いのか判断する基準や、改善に向けた具体的なアクションも紹介します。

離職率とは?計算方法と業界平均を解説

「うちの離職率って高いの?低いの?」――人事担当者や経営者であれば、一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。離職率は自社の組織状態を客観的に把握するための重要な指標ですが、計算方法や業界平均を正確に理解している方は意外と少ないものです。この記事では、離職率の基本的な計算方法から業界別の平均値、自社の数値をどう判断すべきかまでを解説します。

離職率とは

離職率とは、一定期間内に離職した従業員の割合を示す指標です。企業の人材定着度を測るバロメーターとして広く使われており、「どのくらいの社員が辞めているか」を数値で把握できます。離職率が高ければ人材の入れ替わりが激しく、低ければ安定的に社員が定着していることを意味します。

定義: 離職率(%)= 一定期間の離職者数 ÷ 期首の従業員数 × 100 (厚生労働省「雇用動向調査」で採用されている計算方法)

なぜ重要なのか

離職率を把握することは、組織の健康状態を診断する第一歩です。厚生労働省「令和5年 雇用動向調査結果の概況」によると、令和5年(2023年)の日本全体の離職率は15.4%(入職率は16.4%)です。

しかし業界によって大きな差があります。一般労働者の離職率が最も高いのは「生活関連サービス業・娯楽業」の20.8%で、「宿泊業・飲食サービス業」も高水準です。一方、「製造業」は9.8%、「情報通信業」は11.2%と比較的低い水準です。自社の離職率を業界平均と比較することで、対策の優先度を正しく判断できます。

また、新卒者の早期離職も深刻です。厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」によると、**就職後3年以内の離職率は大卒33.8%、高卒37.9%**です。特に事業所規模5人未満では大卒59.1%、高卒62.5%と、中小企業ほど早期離職率が高い傾向にあります。

中小企業においては、離職率1ポイントの変動が経営に大きく影響します。従業員100名の企業で離職率が2ポイント上がれば、年間2名分の採用・教育コストが追加で発生するのです。

具体的な取り組み方

1. 基本の計算式を理解する

離職率の最も一般的な計算式は以下のとおりです。

離職率(%)= 一定期間の離職者数 ÷ 期首の従業員数 × 100

たとえば、期首に100名いた会社で、1年間に12名が離職した場合、離職率は12%です。厚生労働省もこの計算方法を採用しています。

2. 期間と対象を明確にする

離職率を計算する際は、「いつからいつまで」「誰を対象にするか」を明確にすることが重要です。年間離職率が一般的ですが、四半期ごとに追跡すると季節的な傾向をつかめます。また、正社員のみ・パートを含む全従業員など、対象範囲によって数値は大きく変わります。自社内で一貫した定義を設けましょう。

3. 業界平均と比較する

厚生労働省「令和5年 雇用動向調査」の主な業界別離職率(一般労働者)は以下のとおりです。

業界離職率
生活関連サービス業・娯楽業20.8%
サービス業(他に分類されないもの)19.3%
宿泊業・飲食サービス業15.7%
医療・福祉14.0%
卸売業・小売業12.3%
情報通信業11.2%
製造業9.8%
建設業9.6%

自社の数値がこれらの業界平均を上回っている場合は、早急な対策が必要です。

4. 部署・年代・入社年次別に分解する

全社の離職率だけを見ていると、問題の所在が見えにくくなります。部署別、年代別、入社年次別に分解して分析することで、「営業部の20代が突出して辞めている」「入社2年目に離職が集中している」といった具体的な課題が浮かび上がります。

5. 定期的にモニタリングする仕組みをつくる

離職率は一度計算して終わりではなく、継続的に追跡してこそ意味があります。四半期ごとに数値を更新し、施策の効果を検証するPDCAサイクルを回しましょう。パルスサーベイ(短い定期アンケート)と組み合わせれば、離職率の「先行指標」として従業員満足度の変化を捉えられます。

よくある質問

Q. 離職率と定着率の違いは何ですか?

A. 離職率と定着率は表裏一体の関係にあります。基本的に「定着率 = 100% − 離職率」で求められます。離職率が12%であれば、定着率は88%です。ただし、厳密には計算の起点や対象の取り方で異なる場合もあるため、社内で定義を統一しておくことが大切です。

Q. 離職率が低ければ低いほど良いのですか?

A. 必ずしもそうとは限りません。離職率が極端に低い場合、組織の新陳代謝が停滞し、イノベーションが起きにくくなるリスクもあります。業界や企業の成長フェーズに合った「適正な離職率」を目安にすることが重要です。

Q. 中途採用と新卒採用で離職率を分けるべきですか?

A. はい、分けて管理することをおすすめします。新卒入社者は入社3年以内の離職率(いわゆる「早期離職率」)が重要な指標になりますし、中途入社者はミスマッチによる短期離職の傾向を別途把握する必要があります。

まとめ

  • 離職率の計算式は「離職者数 ÷ 期首の従業員数 × 100」(厚生労働省採用の計算方法)
  • 令和5年の日本全体の離職率は15.4%(厚生労働省「雇用動向調査」)
  • 新卒3年以内離職率は大卒33.8%、高卒37.9%(令和4年3月卒)
  • 業界別の平均値と比較することで、自社の状況を客観的に評価できる
  • 部署・年代・入社年次別の分解分析で、具体的な課題を特定する
  • 定期的なモニタリングと施策のPDCAサイクルが改善の鍵

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